第115章 患者はとっくに退院していた

「さっき、中尾美希が来たの?」

病室で、長谷川栞は菊地瑠奈と高野咲子が連れ立って入ってくるのを見るなり、真っ先にそう尋ねた。

「聞こえた?」

菊地瑠奈は中尾美希が持ってきた弁当箱をさっと開け、顔も上げずに言う。

「うん。『ボディーガード』って呼んでるのも聞いた」

瑠奈は鼻で笑った。

「だって、ああいう面の皮が厚いタイプには、それくらいでちょうどいいでしょ。逃げ足が速すぎて残念。もう少し遅ければ、病院からつまみ出される恥ずかしさ、味わわせてやれたのに」

「通報されるの、怖くないの?」

栞はくすっと笑う。

「何が怖いの。最悪、引きずって一緒に警察署で一日コースでもいいし。私は別...

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